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◇「Tomorrow 明日」

  • 執筆者の写真: akiyamabkk
    akiyamabkk
  • 2024年7月22日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年8月2日



もうじきヒロシマ、ナガサキの原爆記念日。原爆投下から80年近くたって、核兵器が他国を屈服させるための露骨な脅しに使われる時代になった。しかも、国連常任理事国なるものによって。


映画は井上光晴原作の長崎の原爆の話し。「霧の如く消されてしまった」普通の人たちの、原爆投下までの日常を描いている。原爆で消された人たちも、自分が今生きている、それと同じ日常を、その瞬間まで生きていたのだと、まだ若かった自分に少しは感じさせてくれた映画だった。


ここで一首


父母は娘の熱を気に病みぬ

 熱波となりて消さるるを知らねば


お粗末 !


随分前に見た映画(テレビドラマ?)だが、今でも、時々思い出して、イヤな、虚しいような気分になる。あまりよく憶えていないのだが、何十年も経った後で、初老の男をそういう気分にさせるのだから、いい映画だったのだろう。あまり覚えていなくても、見終わった時の気分は蘇ってくるという映画があるものだ。


もう一首、


黒く焼けしボロ布を子の形見とて

 撫でさすりおる父母を見し


何十年も前に、そういうお父さん、お母さんをNHKのドキュメンタリーで見た。床の間にあった箱のひもを解いて、真っ黒な布切れを取り出すと、夫婦でそれを撫でながら、「あの時」のことを語るのだ。「そんなもの本当に子供のもんかどうかわからんだろうに」と、見ていて涙が出てきた。


幾十万の生きてきた人

閃光がしてどこへ行ったの?


と思うと、イヤーな虚しい気分になる。天国でなければ地獄へ行ったのか?


合掌 ではでは

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